2006年9月に夫の転勤により渡英。ロンドンでの、のほほんな日々を綴ります。 2011年8月、バルセロナに引っ越しました。


by miepoohsuke
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日本語教師の学校(教育実習1)

3月からいよいよ教育実習です。


まずは教育実習をするための練習。
自分たちが教壇に立って声を出す練習から始めました。
声の大きさ、スピード、説明の仕方、板書の仕方など、細かな場面に分けて練習しました。

教え方は"Direct Method"(「直接法」)と言って、日本語だけを使って日本語を教える方法です。
イギリスだから英語で教えるのだと思われがちですが、違うのです!
英語圏以外で教える場合、相手が英語を理解しているとは限らないし、その現地の言葉は自分がわからない。
"Direct Method"は共通する言語がなくても、どこで教えることになっても通用する教授法なのです。

(なのでこの学校では授業中に英語を使うと後で先生に注意されます。)

私たちが日本で英語や第二外国語を習った時、日本語(媒介語)を使って教わりました。
なので、全く真っ白の状態で新しい言語だけを浴びさせられた経験がありません。

この学校には、それを実際に経験させるためのプログラムがあります。
ある日先生がみんなにどんな言語を習ったことがあるかを尋ねてきました。
そして「フムフム、わかった」と言ってその場を去って行きましたが、数日後その意味がわかりました。

授業が始まると、初めて会う先生が入ってきました。
ロシア人の先生でした!
そうです。私たちはロシア語のレッスンを1時間受けたのです。
もう、ぜ~んぜんわっかんないっ!
名前を言ってるのか、出身を言ってるのか、誰のことを言っているのかさえもわからない。
何ひとつとして知っている言葉がないっ!
ロシアへは旅行に行ったこともないし。
だからすっごく真剣になって聞きましたよ。

そのうち何んとな~く、「あ~これはもしや名前か?」とか「場所か?」なんてうっすらわかるようになって、他の人との受け答えを聞いて、同じように真似してみたり、絵とか記号を使ってくれるとなるほど、と思ったり。
数字もやって、ゲーム感覚にしてくれたのでエキサイティングだったけど、全然覚えられない。
唯一「スパシーバ」(ありがとう)だけ辛うじて覚えられた・・カナ。

この授業を受けたことで、学習者がどんなふうに感じるか、立場の違った視点で授業を分析できるので、教育実習を行ううえで結構役に立ったと思います。


日本語がわからない人を相手にどうやって指導していくか。
ジェスチャーとか絵教材とか、実物とか、そういったものをフル活用です。
そもそも、指示する言葉もわからないのだから、「聞いてください」とか「言ってください」とか「書いてください」とか全部ジェスチャー付きでした。

それと、教師の発話はシンプルでクリアなことが重要。
たとえば「書いてください」という言葉は、実習生全員が同じフレーズで同じジェスチャーを付けることで、学習者は自然と理解してくれますが、もし「記入してください」と違う言葉をうっかり言ってしまうと学習者は混乱します。
なので、教師は授業を行う前の準備段階で、どういう発話をするのかを「セリフ」として教案に書いておくのです。

学習者がこれまでどんな文法、語彙を勉強してきたかをあらかじめ調べる必要もあります。


私たちのクラスは8人いたので、まず3つのグループに分かれました。
最初の3回はグループでの実習を行い、
最後に個人実習を行う。という流れでした。

グループ実習では、60分の授業をどういう内容で行うか、全員で話し合って決め、一人目、二人目、三人目というふうに交代して教えます。
(教壇に立つときは常に一人でそれぞれの時間が約20分)

学校側からグループのメンバーと授業を担当する日時、教授項目が発表された後、早速グループでの話し合いを始め、大まかな授業プランを立てます。
その後、担当の先生に内容が大体それでよいかどうかを見てもらいます。
そして、本格的に細かなことを決めていき、授業に備えるのです。

グループでやると、アイデアを色々出し合えるし、「その説明では足りない」とか、「それじゃわかってもらえないからこうしよう」とか色々な意見が出て、すごくよかったです。
ただ、集まって話し合う時間を確保しなければならないし、家に帰って一つ変更したいと思ったら他の人にも連絡して、その変更が他の人の担当パートに影響しないか、など考えたり色々気をつかって大変でした。
学校の授業が終わって話し合いをしていたら9時半になってしまい、家に帰ったのが11時だったり、週末に集まって打ち合わせをしたり。。
食事の時間を削るくらい本当に時間が足りなかった。


私たちが担当するクラスは2つ(どちらも大人のみ)。
一つは Complete Beginner で全くの初心者のクラスと、
もう一つは Post Beginner で少し勉強している人たちのクラス。
どちらも6人~7人くらいの少人数クラスで、場所は私たちがいつも通っている学校で行います。

学習者の皆さんは、教育実習の授業であることを了解した上で来てくれている人達なので(彼らはもちろん無料で受けている)、私たちにとても協力的で助かりました。



自分たちが実際に実習をする前に他の人の授業を見学をさせてくれました。

3月11日、私たちにいつも指導してくださる先生の授業を見学しました。
グリニッジの学校に、学習者の方々が授業を受けに来てくれます。
この場合の学習者は大人のみ。

この日に見学したクラスは、今後実際に私たちが受け持つクラスでした。
完全な初級者のクラスだったので、「はじめまして、○○です。○○人です」という挨拶からはじまりました。

学習者の情報は年齢や性別、出身国、第一言語等、ある程度はわかっていたようですが、実際どんな性格なのか、積極的か、反応が早いか、覚えがいいか、などは会ってみないとわからないので、事前に準備する段階で、授業をどのように進めればよいか、内容はどのくらいの量が適度かなど、考えるのがとても難しいと思います。

先生が行う授業を後ろで見学しながら、私もとっても緊張してしまいました。
次にこの学習者に会う日は自分が前に立たなくてはならないのだから。。


3月16日はロンドンのパブリックスクール(私立)で教えている先生の授業を見学しました。
放課後のクラブ活動で行っているクラスなので、日本語に興味があって受講している生徒たちが来ています。この学校は男子校で中学生でした。生徒は8人くらいだったかな。。

先生の授業の進め方、説明の仕方、間違った時の訂正の仕方などなど、いろいろ勉強になりました。その先生は少し前に私たちと同じ学校で同じコースを卒業した方です。
私たちがゾロゾロと狭い教室に入って注目しているので、やりにくかったのではないかと思いますが、いいペースでわかりやすく、和やかな雰囲気でとてもいい授業でした。

さて、次はいよいよ我々の出番ですっ!
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by miepoohsuke | 2010-05-26 06:34 | ロンドン(London)